
運動会シーズン直前!徒競走タイムアップ虎の巻🔥その参 ~腕振りの化学~
こんにちは!東京都港区西麻布にあるBUDDYキッズ運動教室のカズ先生です。
「挫折しない!わたしの・ぼくの得意が見つかる運動教室」をコンセプトに、特に運動に苦手意識を感じているお子様をサポートする運動教室として、発育や運動に関するさまざまな悩みにも寄り添い、今日も元気に活動中です!
やって参りました!このシリーズも3回目。今回は腕振りについて書いていきます。
皆さんは「走るときは腕を振ろう!」とか「ジャンプの時はしっかり腕を使え!」と指導された経験はありませんか?
実際にやってみると、「なんとなく速くなった気がする」「高く跳べたかも?」という感覚はあるものの、なぜ腕を振ると良いのかまではあまり意識していない方が多いのではないでしょうか。
でも実はこの腕振り、ただのおまけではありません。ジャンプ力や走る速さを左右するカギと言ってもいいほど、大きな役割を果たしています。
今回は、「なぜ腕を振るのか」「どんなフォームで振ればいいのか」「脚とどうタイミングを合わせるのか」という3つのポイントをわかりやすく解説していきます。
1.なぜ腕を振るのか?:推進力とバランスの秘密
ジャンプでの腕振り
実験によると、ジャンプの高さの約3割は腕振りのおかげだと言われています。つまり腕を使わないジャンプは、それだけで大きな損をしているようなものです。
例えば、腕を振るときに生まれる「遠心力」や「スピード」が、体を上に持ち上げる力に変わります。さらに、両腕を一気に振り上げることで体幹ごと上へ引っ張り上げるような効果もあり、ジャンプの推進力が強まるのです。
また、腕を振った動きが脚の「踏み込み力」に更に重さを加え、地面からより強い反力を生み出すということが研究からもわかっています💡
走るときの腕振り
走る動作は、片足ジャンプの連続動作。そのため、走る速さと腕振りは切っても切れない関係なのです。ここでは代表的な役割を紹介しますね!
1.体のバランスとねじれの抑制
腕振りは、下肢の回転運動量に対するバランスをとる役割を果たしています。
これは実際に試してもらいたいのですが、気を付け姿勢で走ってみてください。おそらく皆さんの体は体が一歩ずつくるくると体がねじれながら走る動きになると思います。つまり地面を蹴った力がこの体のねじれで逃げている証拠!
腕振りは、骨盤から始まる身体の回旋に対する反作用として働くことで、体幹のねじれを抑制し、地面を効果的に踏み込むための「あるべきポジション」を維持する役割を持っています。
2.疾走速度の増加とストライドの向上
ジャンプ動作における腕振りの役割からも、前に進む力を増幅させ、スプリント走での一歩の幅を広げることに寄与することは理解しやすいと思います!
2.正しい腕の振り方(フォーム編):肩から大きく、リラックスして
「腕を振れ」と言われると、つい肘や手先だけを動かしてしまいがちですが、それだと効果が半減します。大切なのは肩からしっかり動かすことです。
〈基本ポイント〉
- 肩を支点に振る:腕全体を大きく動かす
- 肘は90度くらい:軽く曲げた状態で安定させる
- 前後に動かす:横に振らず、体の真横を意識して前後にスイング
- 手はリラックス:強く握らず軽く握るか自然に開く程度
これだけではありません!今回覚えていただきたいのは、スタート加速時とトップスピード時で腕振りは変えられるのがベストだということ。
〈応用ポイント〉
【スタート局面/加速局面】
身体が前傾しているこの局面では、前方への推進力を高めるために、腕をダイナミックに、爆発的に振ることが重要です。
1. 振幅の意識: 肩関節から大きく動かすことを意識します。スプリント走の初期加速の間、肩関節の屈曲と伸展の角速度は非常に大きく、立ち幅跳びの時くらいの幅を意識しましょう。
2. 肘の使い方(スピード生成): 腕を振り戻し始める時(前方へ)に肘を曲げていくと、遠心力の回転半径が小さくなり、スピードが生まれます。
3. 後方への肘の開閉(脚の制御): 腕を後方へ引く際(伸展動作)には、肘の角度を適度に開く(伸展肘角度が増大)ことで、後ろ脚が流れにくくなることが研究によって示唆されています。(かなり専門的なお話なので、細かくは割愛します)ざっくり言うと、肘を伸ばすと振るスピードが落ちるので、前に引き戻しやすくなるみたいなことです。
【最大速度局面】
身体が直立し、最高速度で走っているこの局面では、バランス維持と推進力の増大に焦点が当たります。
1. 爆発的に振る: この局面でも腕は爆発的に振ることが大前提。
2. 前方への振り出しの目安: 前に振り出す時は、上腕が身体に対して垂直になるように振り、手がほっぺの横に来るところまで上げます。
3. 後方への引きの目安: 腕を後方へ振る際は、上腕が身体に対し約45度になるようにし、手がお尻のあたりに届くように振ります。(2~3の動きはアルファベットのJを意識して振るイメージです)
4. 効率的な肘の屈曲: 2~3でもわかるように、前方へ振り出す際には、肘関節の角度を小さく(より曲げる)、後ろに振り出す際には、肘関節を少し広げることで、腕全体の慣性モーメントを調整して、腕を振りやすい状態にします。
3.正しい腕の振り方(タイミング編):脚と合わせてパワー倍
フォームができても、タイミングが合っていなければせっかくの力が無駄になってしまいます。
【最適なタイミングの定義】
ポイントとなるのは体軸です。これがタイミングのランドマークになります。前方スイング後方スイング含めて、腰の真横を通り過ぎるタイミングで支持脚が地面に接地することで、腕振りの力と下肢のジャンプ動作を合わせることができます。
合言葉は「手の振りはビュン!、ジャンプの足音はつま先トン!ビュンとトンを同時に!」
垂直跳びや、立ち幅跳びも同様、後ろにある腕が体を追い越すタイミングで下肢で地面を押す動作を開始するのが良いタイミングです。
まとめ
- 腕振りはジャンプ力や走力の3割を担う重要要素
- 正しいフォームは「肩から大きく」「肘は90度」「手はリラックス」
- タイミングのキモは「体の横」!
ただ「腕を振る」だけではなく、「正しく振る」「脚と合わせる」を意識するだけで、走りも跳びも大きく変わります。
BUDDYキッズ運動教室では、かけっこや体操、ダンスを通して、このような体の使い方を楽しく学べるプログラムを行っています。運動会で少しでも差をつけたい!という方は、ぜひ体験レッスンで一緒に学んでみませんか?
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