
「なんとなく動く子」を育てない——BUDDYキッズの“授業の原則10か条”
自分の行為の意味を理解していてこそ、「考え」も「精神」も安定できるわけである。「何が何だか分からないけどやる」という状態は「考え」も「精神」も不安定であり、その状態になれると「何も考えなくても行動する」という不安定な状態をそのまま受け入れる人間になっていく。知的な集団とはのびやかな自由さがあり、自分のやっていることを自分で納得している集団である。—— 向山洋一『授業の腕を上げる法則』
なぜBUDDYキッズが「授業の本」をバイブルにしているのか
こんにちは!東京都港区西麻布にあるBUDDYキッズ運動教室のくるみ先生です。
冒頭の文章は、向山洋一さんの『授業の腕を上げる法則』の一節です。
BUDDYキッズは“運動教室”であって、“学校の授業”ではありません。
それでも、私たちは「教えること」に誰よりも真剣です。
子どもにただ体を動かしてもらうのではなく、
【納得して】【前向きに】【意味を感じて】動いてもらうために、どう設計し、どう伝えるか。その答えが詰まっていたのが、向山洋一先生の『授業の腕を上げる法則』でした。
本書の第1章に示されている「授業の原則10か条」は、私たちBUDDYキッズの指導の指導における大切な軸になっています。
今回は、その中から前半5つの原則を取り上げ、BUDDYキッズでの具体的な実践とともにご紹介します
① 趣意説明の原則
「なんでこれやるの?」
子どもが声に出さなくても、心の中ではそう問いかけています。
趣意説明の原則とは、「この活動は何のためにするのか」をあらかじめ伝えること。
意味が分かると、子どもは主体的に動けるようになります。
たとえばカエル歩きを取り入れたとき、
「跳び箱を上手に跳ぶために、今日はカエル歩きをたくさんやります!」
と伝えると、「跳び箱が跳べるようになりたいから頑張る!」と目を輝かせてくれました。
意味がわかると、行動が前向きに変わる。
BUDDYキッズでは、すべての行動に「ねらい」と「つながり」を添えて伝えるようにしています。
② 一時一事の原則
教えるときは“一度に一つ”。
これは運動指導でも大切な原則です。
たとえば跳び箱の指導で、「助走はしっかり、手はついて、足をパーにして、頭を前に出して…」と一度に伝えると、子どもは混乱して止まってしまいます。
BUDDYキッズでは、テーマを一つに絞るようにしています。
「今日は“手のつき方”をマスターしよう!」
力を分散させず、一点に集中することで、できた時の達成感も強くなります。
“あれもこれも教えたい”という気持ちをこらえ、確実に一つずつ積み上げていくことが、子どもを伸ばす秘訣です。
③ 簡明の原則
指示・発問は短く限定。
これもまた、実践の中で何度も実感する原則です。
たとえば、「もっと頑張って跳び箱を練習してみましょう」では何をどうするのかはっきりしません。
「1人3回、2段の跳び箱を跳びましょう。」と伝えれば、子どもたちは迷わず動くことができます。
BUDDYキッズでは、10秒で伝わる言葉を目指して、日々言い回しを磨いています。
④ 全員の原則
ある子には「疲れたら座って良いよ」と言い、ある子には「まだできるから頑張りましょう」と伝える——。
その結果「先生はやめて良いって言った」「いや、先生は続けなさいって言った」と指示が食い違いが生じます。
BUDDYキッズでは、子供が聞く姿勢を整えてから、必ず全員に向けて指示を出すようにしています。また、途中で指示の追加はしない。そして最後の行動まで一貫して指示を出し切ることを徹底しています。
たとえば、全員の足上げ腹筋が終わり体操座りになったら「お水を一口飲んで、平均台に集合しましょう。」と声をかける。——このように、全員が同じ情報を共有したうえで動く空間をつくることが、集団としての安心感やまとまりにつながります。
⑤ 所・時・物の原則
子どもが安心して行動できるかどうかは、「場所」「時間」「使うもの」が明確になっているかどうかにかかっています。
BUDDYキッズでも、毎回のレッスンで「所・時・物」を意識しています。
- 「赤いリングがスタートです」と、どこに立つか(所)をはっきり伝える
- 「前のお友達が青いコーンを過ぎたら次のお友達はスタートします」と、いつ動くのか(時)を共有する
- 「このリングを使ってジャンプするよ」と、何を使うか(物)を理解できる
こうした準備があるだけで、子どもは自信を持って動けるようになります。
逆に、スタートの合図も場所も決まっていないまま「やってみよう!」と始めてしまうと、
「どこから?」「いつ?」「何で?」と迷って、動きが止まってしまうこともあります。
子どもたちが「わかる」「できる」と感じるためには、まず安心して動ける環境の整備が必要です。
そのための基本が「所・時・物」なのです。
◆ 次回につづく:「できなかった」が「できた!」に変わる後編へ
ここまでご紹介した5つの原則は、どれも子どもが安心して、自分の頭で考え、納得して動くための土台となる指導技術です。
しかし、それだけでは終わりません。
子どもが実際に動き始めてからが、本当の指導の勝負どころ。
次回は、以下の5つの原則を取り上げます
⑥ 細分化の原則
⑦ 空白禁止の原則
⑧ 確認の原則
⑨ 個別評定の原則
⑩ 激励の原則
「小さなできたをどうつくるか」
「できなかった子を、どう導くか」
そして「またやりたいをどう引き出すか」
BUDDYキッズでのリアルなエピソードとともに、教えることの深みと工夫を、後編でもじっくりお届けします。
ぜひ、次回もお楽しみに!
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